140419 沖縄旅行 1日目 糸満・首里編

春先には沖縄へと行って来ました.今回はその旅行記です.

アルバム 140419-0421_沖縄







土曜日のLCC早朝便に乗るために深夜に車で成田空港まで.会社終わって軽く仮眠しての出発なので結構は余裕ありました.もういい加減いつも行く範囲なら成田空港の構造も把握できているので特にトラブルも無く登場して離陸.


空港は生憎の空模様でしたが雲を抜けると雲海.・・・・・・のせいで地表見て現在地を推測する遊びが出来ず.ま,海の上なんですけどね.そんなこんなで読書して寝てたら那覇空港.

初日は公共交通機関利用予定だったのでそそくさとゆいレールへ.予定を一本乗り過ごすもなんとか糸満行きのバスに間に合って乗り換え成功.実は沖縄行きは結構早めに決めていたのですが,いつものごとく準備を直前まで放っていました.そこへつい一週間ほどまえから『月に寄りそう乙女の作法』を始めてしまったから大災難.面白くてついついつり乙を進めてしまいついぞ出発直前まで遊んでいたという状態でした.むしろ”誰だ,こんな所に沖縄旅行の予定入れたのは!”状態でほぼノープランで空港へ行くという我ながら信じられないような旅のはじめでした.とりあえず空港で初日は糸満を回ると決めてバスを調べて,糸満行きのバスの中でその後の予定を立てる.翌日の予定も見繕ってレンタカーの手配を終えた頃には第一地点到着.



ひめゆりの塔です.沖縄戦関連の場所を回るつもりで糸満へ来ましたが,事前に調べるつもりでいたのに上記のような有り様だったせいで予備知識も乏しく.脇のひめゆり平和祈念資料館でがっつりお勉強タイムでした.

と言ってもひめゆり学徒隊の話くらいは知っていましたのでその辺りを手がかりに.この場所は実際にひめゆり学徒隊の女学生達が負傷兵の手当にあたった病院壕の跡だとか.ひめゆりの塔の目の前は出入りをしていた穴がそのまま残されています.壕とは言いますがこの地域に数多くある自然洞窟「ガマ」を利用した物だそうで,資料館の中にはガマの内部の様子が展示してありました.自然洞窟というとピンと来なかったんですが,鍾乳洞なんですよ.周囲にある岩石も石灰岩のようで,この辺りの地質的にそうなんでしょうね.今でこそ,鍾乳洞と言えばいい観光資源ですが,それが沖縄戦の末期の舞台となっていることが衝撃で,物見遊山気分半ばな今回の旅行の鼻っ柱を折られました.資料館の展示の凄惨な状況も予備知識の薄い中で見る迫力はすごい物があります.資料館の広さはそこそこありましたが,知覧のときと違いゆっくり回れたのも幸い.じっくり読み込んでからバスで平和記念公園へ.

車窓を見ると海を望み広々と広がる草地に石灰岩地層が見え隠れしていて,先のガマのくだりを考えながら眺めていました.



まずは資料館へ.こっちも平和祈念資料館っていう名前なんですね.こちらはひめゆり平和祈念資料館よりもマクロに太平洋戦争から沖縄戦について,沖縄戦から島尻地域について,戦後から現代へとまんべんなくカバーされていました.ひめゆりの方は人が多すぎてまともに見られなかったんですが,こっちは思いの外,というか土曜日なのにほとんど人がいなくてビビったんですが,ゆっくり回れたというのは良かったです.ただ,今度はきちんと知識入れた上で来た方がいいという結論が出るくらいには考えが甘いことがはっきりしたので,ちゃんと勉強してこないと行けませんね.なんか城をメインに旅しているはずなのにいつの間にか古墳時代から平安鎌倉や幕末から近代史まで手が広がりすぎてて手に負えなくなりそう.


資料館から戦没者墓苑,平和の礎へ.24万余だって.なんの数だか分からなくて怖い.怖いという実感すらないくらい現実味を感じない自分が怖い.このひとつひとつがみんな生身で生きていた人間だったと考えようとしても,やっぱりこの数は想像できないものですね.この中に母方の身内もいるんですが,写真を見たことがあるだけで,ちゃんと話聞いてきたら良かったなぁと.

沖縄へ来たのは高専の修学旅行以来の2度目なんですが,そういえば修学旅行では戦跡一切回らなかったな,とぼんやりバスを待ちながら思い更ける.高専まできたら今更平和学習もないだろうということなのかなんなのか.首里城とか万座毛とか美ら海水族館とかいわゆる観光のそんな感じの旅行でしたね.だからこそ,今回の旅行は以前の沖縄のイメージとは全く趣の違うものになりました.



バスが来たらもう少し北上.玉泉洞へ.なんかテーマパークの一部に併合されてて玉泉洞のみの目当てだったのにえらく良い値段を払ったのが・・・・・・.


ともかくも入って開口一番が「広い!」.龍泉洞も龍河洞も三脚担いでひいこら言いながらくぐっていたのにここははじめから終わりまで頭を気にすることなく歩ける広さを持っています.発見が戦後ということでここは戦時中使われていなかったようですが,それでもこれが先に見てきたガマであることは容易に連想できます.いつもなら悠久の時間の流れすごい,とか思ってみるだけなのに,こんな場所で半世紀少し前に戦争をくぐり抜けていたなんて考えると観光では済まないですね.戦跡の後に方向変えての鍾乳洞のつもりでしたが,先ほどのようにガマ=鍾乳洞であることに気がついた以上不思議な関連性を持ってこれを見ることになりました.


通路に出来つつある石筍.こんな風にして育っていくんですね.


水の流れもいろんな色を見せていていろんな造形を見られます.水量が多いせいか地質のせいか,他の鍾乳洞より溶けるスピード速いんじゃなかろうか.


水皿だけど光の関係でなんか見え方が不思議なかんじに.


また長い.公開区間900mだかですが,30分くらい歩いていた気がします.大満足で出てきたはいいが那覇行きのバスの時刻が間近で慌てて出口からバス停まで走る.これが沖縄さすがで暑いんですよ.この日は特にだそうで27度だかあるとかで,薄着していたにも関わらす汗だくになりながらバス停へ滑り込み.


那覇までは約1時間.首里城へ向かう予定で那覇バスターミナルまで行かずに途中で下りて歩こうと頃合いを見て下車.地図見ながら首里城目指してみたら唖然.安里駅方面から向かったらすごい上り坂でまた汗だくに.おまけに歩いても歩いても見えてこなくてついタクシーを捕まえ強攻.


定番ですがね.


びっちりと切り込んである曲線状の石垣とアーチ城門.鴟尾のような堡先のとんがりはどこからでた意匠なんだろうね.


アーチ門にしてもこの形にしても石垣で作った側に木造の建物をはめ込むように固定しているみたい.日本の城よりは石の比重が多めで守りが堅いよう.石垣にしても日本では漆喰塀になるところまで石垣で作ってしまっているのでずいぶん重厚な雰囲気を感じます.


待ちを見下ろす.完全に異国の縄張りですよね.そしてこの見晴らし.沖縄の都とはいえ,元は一地方豪族だった時代の尚氏の居城と言うことですから山城を基本としていたんじゃないかな.そこを拡張してこんな形になったんじゃなかろうか.


ゲートを経て正殿へ.全ての扉が閉ざされているので閉塞感を感じるけど,開け放たれるとかなり迫力がありそう.以前来たときは脇から入っていた記憶がありましたが右手の木造再建の南殿からぐるりと回る形になっていました.

歴史や建物の構造の展示を見ながら回りましたが基本的な間取りは日本の御殿と変わらないんですね.建築まで言及するほどの知識は無いんでアレですが,なんとなく似てるな~という感想.


その後お勤めを果たしてから別ルートで回ります.今はこれだけ立派に作られていますが,首里城も沖縄戦の影響を受けています.というか日本軍の総司令部壕が地下にあったため米軍の大々的な艦砲射撃の的となって灰燼に帰しました.終戦後は琉球大学が置かれたことでさらに遺跡撤去が進みましたが,やがて再建熱望の声が上がり,琉球大学を移転させての再建整備が行なわれ今日に至ります.なのでここで見られるもののほとんどが復元によるものですが,そうなるとこれだけのものを再現できたことが驚きなんですよね.近代戦の舞台となったとなると日本だと熊本城や会津若松城が挙げられますが,それらの砲よりさらに70年もあとの砲,しかも艦砲ですから威力は比較するまでもありません.
そんなわけで復元の首里城自体は世界遺産には数えられていないのですが,それでもこの規模で今に見られるということは,どれだけの声があったのだろうかと思わずにいられません.


京の内をみてから西のアザナへ.那覇の街を見渡せる展望台になっています.


遠くには慶良間諸島も見渡せとても開放感のある場所でした.時間が許すなら夜景を狙うのもありかなと思ったんですが,どうも夕陽見たら出ないと行けない時間に閉まると言うことで断念.夕陽も良いなと思ったんですが,雲の関係から怪しそうだったので.


ゆいレールの首里駅に行くかと思ったんですが,遠回りになると思い再びタクシーで安里駅へ.そこから県庁前へ行って那覇市歴史博物館へ.デパートの一角を使っていたせいで見つけるのに手間取りましたが展示から首里の歴史の概略を見学.

国際通りへ行き,土産物見繕って適当に夕食を取ってからレンタカーを受け取りに向かいます.当日でよく見つかったものです.というかこんな綱渡りはもうやりたくない.けど今回はつり乙面白かったから仕方なかったんだ.うん仕方なかったんだ.

レンタカーで近くの温泉に突っ込み,ひと息付いた後でうるま市へ.勝連城近くまで来て休もうとしてたんですが近くに展望台があるので寄り道.



屋慶名海峡展望台というそうです.夜に入って霞みがかってしまっていたんですが,それが夜の月にいい感じに映えて美しい銀色の世界を見せてくれました.お決まりのような過剰露光.でもこういうの大好きなんだ.


これは美しい風景でした.遠くに海中道路を見ながら手前の藪地島への橋.うまく橋を渡る車のライトを拾うことが出来たので,綺麗に橋が映ってくれました.鏡のような水面も綺麗に出ていてお気に入りの一枚.ピントが甘いのと構図まで考えていなかったのが勿体ないし,星も写し込みたいと良くを言えば切りが無いけど,撮り直しに行きたいと思うくらいには良い場所だと思いました.

そんなこんなで沖縄一日目は完了して休みました.


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

*