ALcot10th Anniversary Live ~Happiness Day’s~とその他諸々

先日のALcot10th Anniversary Live ~Happiness Day’s~行ってきました.
我らがALcotの10周年のお祭りなのですごく久々に感想なんてものを書いてみようかと.

いつも読んでくださってる方からすると何を今さらな気もするんですが,
私は根っからのALcotファンでございます.
信者,人呼ぶところのアル厨というやつですね.
それも「Clover Heart’s」以降ずっと追いかけ続けている古参の方の人間でして,
本当にALcotを10年見てきただけあって,10歳のお祝いと言われるとたまらないものがあります.

そんなALcotライブ.
始まって一発目から「ロケットラブパニック!」,「ENGAGELINKS」と全力で来て会場が一気に盛り上がってましたね.
セットリストは余所で公開されているので省くけど,その後「Triptych」,「なつぽち」の楽曲,榊原さんの「FairChild」曲,
各歌姫によるハニカムライン,宮蔵さん(with遠野そよぎ,北見六花)によるラジオ出張版なALcotの思い出話.それが終わったら「鬼ごっこ!」「中の人などいない!」のOPで一気に盛り上げて終演.アンコールで新作「Clover Day’s」のOPを披露して「アンコール」,舞台挨拶で閉めるという流れ.

初っぱなの2曲こそ普通のライブ感覚でリズムとって盛り上がって見てたものの次の「Triptych」からはどっぷり世界にはまり込んでライブなんてものじゃなかったですね.特に「月と夢」が素晴らしくて素晴らしくて.生で「月と夢」をあのコーラスでという感動は鳥肌なんてものじゃなかった.泣きそうになって顔ゆがめてるような状況のところへ「ひまわり」の大合唱ですもの.たまったもんじゃないですよ.私はもうこの時点で満足通り超して成仏してしまったので,後の流れは抜け殻みたいに聞いてました.総じて曲を聴きながら作品を思い出し,当時を思い出しながらしみじみと聞いているという感じで楽しんでましたね.
宮蔵さんのコーナーも月陽炎からじんわりとALcotの流れを追っていくもので,本当にひとつひとつ頷きながら聞いてました.30分なんてあっという間.それでも話聞いているうちに抜け殻からは回復したので最後のスパートは一緒に盛り上がれました.
そしてアンコール.来るかな?来ればいいなと思っていた「Clover Day’s」のOP曲「Clover Day’s」の初披露.まぎれもなくあのMANYOサウンドですよ.MANYOさんらしいあの美しいストリングスと二番の展開もちゃんとついててSkyFish系な雰囲気を出してるんですが,ということはもうこれはムービー映えすること間違いなしで期待値が上がりすぎてて怖いところ.
最後の最後は「アンコール」大統領のOPで始めてEDで終わるところに含むところはないだろうけど,「ずっと見守っていてね」で締めるあたりでまた泣きそうになるというALcotファンにはたまらないライブでした.

はっきり言っておきましょう.
歌姫突いて出しの流れや会場の画一的な盛り上げ,常にざわざわ言ってるステージ向かって左側後方と気になることはちょこちょこあったし,私も中央やや左の二階席下だったので音周りがひどかったという,客観的に見れば環境的に相当悪いライブだったと思います.たぶん私もALcotのライブでなかったらぼろかすに言ってたかもしれないし,言い出さない自分が可笑しくもあるんですが・・・・・・.

でもね,10年来追ってきたファンとしては,それがどうした.なんですよね.
私は「Triptych」でスイッチ入ってからはもう曲を聞いているモードじゃなくて,音云々とか些末な問題.
曲を聞いているんだけどそれで想っているのはALcotのことやひとつひとつ作品なんですよね.
一曲一曲が作品にしっかり絡みついているから実際作品やってるともうたまらない.
「Triptych」「月と夢」なんて特にそうで,あの感動はトリプやった人にしか分からないでしょう.
そういう連続で出来ていた濃密なALcotの時間.確かにあの場所にALcotの10年が結実してるんだと感じられて,本当にもう至福の時間でした.
つくづくALcotのファンをやってて良かったと感じられたイベントでした.
この感覚だけは本当にALcotを好きでいる人だけの特権です.


ただ,それと同時に他の人からするときっとそうじゃないんだろうとも思います.
ここからはちと脱線.






一ヶ月前,私はオーガストのコンサートであるトラベリング・オーガストの大阪公演を見に行ったんですが,こっちはあまり楽しめなかったんですよね.いや,楽しめたのは楽しめたけど存分には楽しめなかったという感じ.
トラベリング・オーガストはピアノバンドに弦楽六重奏とパーカッションという贅沢な構成で作品の音楽をアレンジし,舞台に音楽で作品世界を再現しようとした試みは評価に値すると思います.練り上げられた音楽の舞台は綺麗で力強くて澄んでいました.しかし,だからこそ,観客への要求レベルが高すぎて対応しきれない部分がありました.そこは映像を流すなんかのフォローが施されてたのでそれでもかなりの評価されてますし,私もフォローのおかげで楽しませてもらった一人でした.

はじめオーケストラと聞いてエロゲ曲をオケで聞けるなんて今回限りかも知れない,オーガスト作品ははにはに以降一通りやっているし大抵の曲ならカバー出来るだろう,と大阪まで馳せ参じたわけです.でも公演はオーガストの歌を披露するなんて生やさしいものじゃなくて,オーガスト作品と楽曲の世界をステージ上に作り上げるものだったわけです.それはそれでとても良かったんですが,同時にオーガスト作品への思い入れが足りないことを痛感させられました.過去の作品を単にやったという程度で許されるものじゃ無くて,もっともっと深くまで入れ込まないとあのコンサートの真価はわからないんだろうなと感じました.それをコンサートの初っぱなに痛感させられた分,そこに居ることが申し訳なくてたまらなくて.オーガストはもっとコアな人達に楽しんでもらいたくてこの舞台を作ったのか,私みたいなにわかなんかお呼びじゃなかったんだと思い知らされました.あれを素晴らしいと絶賛出来るのは本当にオーガストを愛してやまないファンの人達だけだと思う.そりゃシビックホールでもでかいと見積もるわけですよ.

それでもあのステージを通じて「お前らもっとゲーム音楽に意識を向けろよ」と諭されたように感じたのも嘘じゃないと思います.あのステージ見たら次のオーガスト作品のBGMは否が応でも気が行くはず.オーガストがそこまで考えていたからこそ来た人ひとりも取り漏らさない立派な興行にもなっていたんでしょうね.


ただそう考えると,と思い浮かべるのは約一年前のFavoriteの10周年記念ライブ.ALcotのライブのきっかけになったイベントですが,あれにも私は参加してました.(来たるALcot10周年にライブ来たらいいな,来たらどんな雰囲気だろう,とかいうわりと不純な動機でした)Favoriteのライブは歌手のMCを極力省いてMCをスライドを使って行うという面白いもの.星メモやいろセカのキャラが出てきて掛け合いながらライブを進行させる流れは楽しかったですね.Favoriteの水間さんも出てきて思い出話をする場面もあって趣向を凝らしたライブでした.オーガストのコンサートと同じなら私はここでも疎外感を受けたはずなんですが,それは全くと言って良いほどなかったんです.大満足で帰ってきていました.何が違うのかというと,Favoriteはブランドファンイベントの体を取りつつ実質は星メモといろセカの作品ファンのためのイベントの要素が強かったんですよね.キャラクターの掛け合いは星メモといろセカのキャラで回してましたし,その二作を手がけた水間Dというスタンスでトークも見られたわけです.だから,その二作をやっていた私はなんの不自由もなくあのライブを楽しむことが出来たわけです.オーガストとFavoriteならオーガストの方がずっと付き合い長いんですが,イベントのスタンスで楽しめる度合いも大きく変わってくると言うことでしょう.


そう考えてみると,今回のALcotのライブのスタンスってどうだったんだろうか,と言うことですよね.誰のためのライブだったのかと思い起こすと,たぶんALcotのブランドファンのためのイベントだったと思います.ALcot作品ファンじゃなくブランドファン.曲目もそうだけど,ネックなのは「宮蔵に聞け!」ですかね.あのコーナーを30分やるのはラジオのリスナーとALcotをよく知っている人しか得しないでしょう.ラジオを聞いている人達はぶっちゃければALcot好きな人なんで,外の人には辛いところだったと思います.
その分,我々ALcotファンからするとまさに私たちのためのライブだったわけで,いわば私がオーガストのコンサートで感じた「もっとコアな人のためのコンサートだ」という疎外感がまるっきりひっくり返したものがこのALcotライブなんです.まさに至福の時間でした.素晴らしかった.

ただ,オーガストのコンサートと違うとしたら外の人に対するフォローがなかったことだろうな,と.会場に来てくれた人は少なからずALcotに興味を引かれるきっかけがあった人達で,その人たちの興味をさらに引けるとなお良かったろうと思います.ブランドとファンとが直に向き合うイベントだったわけですから,新たなファンの芽を育てていきたいところです.

まぁ,ALcotはラインがいろいろあるからそれぞれのラインで棲み分けがあるので総じた”ALcotのファン”というのは難しいところがあるのかな.それでも新本三部作からファンになったという人も,ハニカム文庫をきっかけにALcot本家も気に入ってくれたという人も出てきてて,少しずつファンの輪が大きくなっていくのを実感しています.今後もちょっとずつでもこの輪が広がっていくことを願っています.




なんか長ったらしく言い訳がましく聞こえるかも知れないけど,10年追ってきたブランドのお祝いって一入どころじゃないんだ.そういうの思い返してると言葉にならないことが多すぎるんですが,ひとまず思うところ書いておきました.


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