先週に川越まつりというのがありましてぶらっと見物に行って来ました.
![]() |
アルバム 121020_川越まつり |
川越まつりというのはその名の通り埼玉県川越市で行なわれるお祭り.
川越城下町の町ごとに山車を用意して祭り囃子に踊りを添えて通りを曳いて歩くというもの.
古いお祭りで360年ほど続いているらしく国の重要無形民俗文化財に指定されています.
毎年10月の第三土・日曜に開催されています.
川越は買い物でちょこちょこ来るのですが,一週間ほど前に交通規制の看板を見かけて祭りがあるのを知り,
調べてみたら面白そうだったので行ってみたという感じでしょうか.
当日11時ごろに川越駅に到着してゆっくりと川越の観光地区へと歩くんですが,
駅の隣のブロックにて既に祭りに遭遇.

山車が二台向き合って踊りを披露中.

これがまたでかいの.
人形と,山車上部が昇降して山車本体の中に引っ込められるようになっているんですが,全て展開すると歩道橋をも越えます.
例年は15台程度が参加するのですが,今年は市政90周年の記念年なので川越にある29台全てが参加.
いたる所で山車が動いていました.

山車の前部分に踊り手と囃子連が五人(太鼓,笛,鉦,締太鼓が二人)で祭りを彩ります.

踊りはその時々で様々にあります.
状況に応じてお面を替えて踊りを替えてという感じでしたね.

山車の上には人形が据えられています.
各町ごとに人形が違い,江戸,川越ゆかりの人物や日本の神話や伝承を元にしています.

川越観光の中心である蔵造りの街並み.
城下町の名残を残すエリアですね.
江戸と同じく川越でも火事は多かったようで,建物に防火・耐火に優れた土蔵造りが推奨・発展したということです.

時の鐘を抜けて市役所方面へ.

中の門堀跡.
え?お城ですよ?
川越市は城下町を元に発展しています.川越まつりもそう.
城下町ということは当然お城があったわけです.
それが河越城(川越城)です.
今の市役所前から東へと丘陵地のようになっていましてそこに広大な連郭式のお城がありました.
とはいえ昔の話.今はこの堀跡と富士見櫓という天守代わりの櫓跡がかろうじて遺構を思わせるだけ.
お城の形跡など影も形もありません.
がしかし,珍しいことに川越城には本丸御殿の一部が現存して残っています.

川越城本丸御殿.
本当は1000坪を越える広大な御殿だったそうですが大半が明治に入ってすぐに取り壊されました.
残っていると行っても玄関と広間,移築されたのを再移築により戻した家老詰所といったごく一部だけ.
それでもお城の御殿建築は全国数ヶ所だけなので現存で残っているのは希有な例だと言えます.
川越城の他には本丸御殿は高知城だけ.二の丸御殿も二条城と掛川城の二箇所のみですので全国立った四箇所のうちの一つ.
ですがこの建物.明治期に入り払い下げの後,タバコ工場や武道場,学校として様々に利用されて来ました.
その都度内部の改築を行なっていたらしく,内部を洋間にしていた時期もあったとか.
昭和42年に文化財指定をされて復元修理され大規模に直されたと言うことですが,
明治期のこの改修が影響してか完全に残っていないからか県指定の有形文化財どまり.

復元修理されて時間が経つので新しい建物という印象は全くありません.
高知城の本丸御殿は小規模なものなので本格的に本丸御殿の有り様を知ることが出来るのはここだけなのかもしれません.
御殿をでて二の丸跡にある博物館を見学し再び祭りへと戻ります.

氷川神社へ.
御神幸祭の御輿行列がでるということで行きましたが既に出発後.


のんびり歩きながら追い抜きながら行列を見物.
あとはのんびり回り自由に動き回っている山車を追いかけたり逃げたりしていました.

市役所前の広場はセレモニーの前でかなりの人手になっていました.

遠くにうごめく山車はいよいよ祭りが始まるぞという意気込みが高めていきます.

祭りなら望遠はそんなにいらないと思ったんですが200mmでも厳しいときは厳しいね.
やっぱり300mmくらいは用意しておこうかな.

なんか言われあったら面白いんですがねこの童釣り.
暗くなった頃にCocotte*keltのこまさんと合流.
一週間ほど前から示し合わせていたので夜は一緒に回ります.
人通りが予想以上にえらいことになっていたのではぐれることも半ば覚悟していたのですが,そんなこともなく.


山車の提灯が灯り柔らかな光の下で祭りはますます盛り上がっていきます.

獅子に子供を噛んでもらうのはどこでも同じ光景.
私も小さい頃はおびえて大泣きしたもんです.あれどこの祭りだったんだろうか.

中のこのおっちゃんが本当にいい笑顔をしてた.
この祭りの中で見えた笑顔の中で一番よかった.

スピードライトを持っていないので内蔵フラッシュで頑張っていましたが,光量足りないわりによく撮れてたと思います.
シャッタースピードも露出もマニュアル固定してのフラッシュだったので白くなりすぎない出来になったのかも.
でも光量不足なシーンはいっぱいあったのでスピードライトも欲しくなってます.

祭りの一番の華である「曳っかわせ」.
山車は基本的に自由に町中を動き回っているんですが,辻で山車と山車が出くわすと向かい合わせて踊りあい,
お互いの曳き手が山車の間に入ってかけ声と共にせめぎ合う様は威勢よく見物です.

山車と山車を提灯のぎりぎりまで寄せています.
宰領を中心として先触れ,曳き手,鳶,他大勢の人がひとつの山車を動かしているんですが,
夜の暗いなか,その統率力はすごいですね.
みんな要領よく動いて山車曳いてあっという間にどっか行ってしまう.
よくよく考えたらあれ半端なことじゃないですよ.

時刻が更けてくると辻に山車が溜まっていたり.
ここでは四台がっつり向かい合っていました.
それぞれの山車の囃子が入り乱れて盛り上がりも最高潮.

こっちでも山車五台.
人の集まりもすごくてひいこら言いながらですが祭りの雰囲気を味わっていました.
山車が各々の会所へ引き上げる頃まで見てからこまさんと川越で飯を食べて帰ってきました.
昨年あたりから旅行と併せて祭りもいくつか見始めていますが,
祭りの時は単なる観光地の面だけでなく,地元の人の地の面が垣間見られるので面白いんですよね.
またこういう祭りを見に行きたいものです.