静岡の旅を終えて翌日はすぐそばの岐阜県へ.
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アルバム 121007-1008_静岡,岐阜 |
夜のうちに掛川から浜松を抜けて恵那へ向かいます.
山越えで2時間ちょっと走り明るくなった頃に岩村城に到着.
岩村城は三大山城に数えられる代表的な山城です.
江戸時代に入っても廃城とならず岩村藩の城として幕末まで存城しました.
梺の藩主邸跡から正規ルートを登ってくることが出来ますが,
本丸のすぐ脇にある出丸の駐車場まで車で上がってくることも可能.


出丸の駐車場に着くと山の中に大規模な石垣が伸びています.
打ち込みながらわりと密に組まれています.

埋め門より本丸へ入ります.
クランク二つつけたような構造になっています.

忘れられたような山の上の石垣は時の流れそのもの.

六段の高石垣.
補強のためにこのような形になったとか.

本丸からずいと下って八幡曲輪.

霧ヶ井戸.

総石垣と行っていいくらいにいたる所に石垣遺構が残っています.
八幡曲輪を下りきったところから振り返る.
ここに追手門と三重櫓があったそうな.

追手門には畳橋という渡し板を外すことの出来る橋が架けられていました.
手前の石垣の上から置くの石垣に向けて橋が架かっていたそうな.
この先も石畳が続いていて門跡を経ながら下っていきます.
さすがに車を山の上に置いたまま降りてしまうのはアレなので一の門まで行ったところで駐車場へと引き返しましたが.

鬱蒼とした山の中で石垣もびっしりと苔蒸している状況.
石垣の間から切り株が張り出していたり,木の根が石垣を歪めていたりして少し不安.
駐車場からは車で山を下り藩主邸跡にある岩村歴史資料館へ.
ここから坂を上がっていくと岩村城へ登れます.
案内によると本丸まで距離800mらしいのでさして距離はないですね.

公園のように整備されたエリアを通って行くと石段が本丸まで伸びる.
ここから本丸まで600m.
その後資料館を見学し,目的を達成.
次はさらに北上して下呂温泉へ.
予定時刻より早く到着したので合掌村へ.

白川郷から移築された合掌造りの建物が集められた場所です.
いっそここまできたら白川郷まで行こうかと思ったりもしましたが,地図見て諦めました.

合掌村から下呂温泉街へ.
坂道を上がり温泉寺の脇をさらに上へ.

山の上へ上がってくると立派な建物が見えてきます.
それが湯之島館です.

古くから下呂温泉を代表する旅館で,昭和初期に建築された玄関と本館は国の重要文化財に指定されています.
昼の2時間だけ一般の日帰り入浴を受け入れているので入浴.
価格的に泊まってもいいかもと考えていたんですが,ええ,雰囲気的にびびりました.
中へ入るとこれがまたでかいんですよ.
ガイドがあったから問題なかったですが,これは普通に迷います.
この規模はちょっと知らない.
下呂の名泉を頂いてからまた峠を走る.
今度は西へ.
九十九折りの峠を下ると見えてくるのがこれ.
山の上にあるのは郡上八幡城の木造模擬天守です.
この郡上八幡城は見ての通りの山の上に天守があり,
梺に城の主たる曲輪の集まる平山城の構成を取っています.
天守に登るんですが,なんとこの城天守のある山頂まで車で上がれます.

駐車場から見る石垣.
かえってきて資料読むまでここが本城だと思ってたんですが,山の上が本丸じゃなかったんですね.
山頂の削平地のど真ん中に天守台を据えて松の丸と桜の丸で二分させる構造になっています.
天守で分断するのはなんか不思議な感じもするのですが,これで小城を形成しているんですね.
で山麓にあるのが本城みたい.
それに気がついていたら下にも降りていたものをここだけで満足してしまってました.

とかく山頂のお城.
石垣沿いに歩いて行くと小櫓と天守が頭上にそびえます.
規模はともかくすごく立派で美しいお城だと思います.

この天守は木造の模擬天守ですが建築は昭和8年.
太平洋戦争以前の木造建築なんです.
大恐慌で冷え切った経済に一種の公共事業として町長の旗振りの元進められた事業だったとか.
当時のことですので史料を元にするでもなく,ひょっとすると発掘調査もしていないかもしれません.
天守台がある以上は本当に天守が存在していたとは思いますが文献見てもどういう天守があったのか
全く言及されていないので早くに焼けて再建されずだったのではないかと思っています.
現在の天守は空襲で焼ける前の大垣城を参考にして設計されたということで,
模擬とは言えどそれはそれで建物自体が貴重な文化財なんですよね.
また鉄筋コンクリートの大阪城が昭和6年ですから同時期に木造での復元にこだわった意気込みというのは並のことではないでしょう.
中は展示スペースになっていますが外観優先というだけに内部はさもありなん.
しかし,不思議と落ち着きを持って見て回れましたね.
気がついたら駐車場へ停めてから1時間半たっぷりと山の上で過ごしてしまってました.

お城見て満足してしまったせいで梺をみることなく高速乗ってしまったので今度改めて来直す必要があります.
そんなこんなで今回の二日間の旅は終了.
わりと時間に余裕を持てる旅でしたし,初っぱな以外は予定通りこなせたのでよかったです.